用語解説

土砂災害警戒情報

土砂災害警戒情報とは. 大雨による土砂災害発生の危険度が高まった時、市町村長が避難指示等を発令する際の判断や住民の自主避難に役立ててもらうため、 岡山県と岡山地方気象台が共同で発表する防災情報です。

土砂災害危険度と土砂災害危険度情報

土砂災害危険度は、土砂災害警戒情報を補足するため、地域の詳細な土砂災害発生の危険度を提供する情報のことです。土砂災害危険度情報とは、その情報を提供する本システムをさします。

土砂災害

土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂移動を伴う災害のことです。

がけ崩れ

雨や雪どけ水、地震などの影響によって、急激に斜面が崩れ落ちる現象

雨で地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め斜面が突然崩れ落ちる現象のことです。前ぶれもなく突然起こることが多く、スピードも速いため、人家の近くで起きると逃げ遅れる人が多く死者の割合も高くなります。地震が原因で起きることもあります。

土石流

山や川の石や土砂が大雨などにより水と一緒になって激しく流れる現象

大量の土・石・砂などが集中豪雨などの大量の水と混じりあって、津波のように出てくる現象のことです。流れの先端部に大きな石があることが多いため、破壊力も大きくスピードも速いので悲惨な被害を及ぼします。

地すべり

雨や雪どけ水が地下にしみこみ、断続的に斜面が滑り出す現象

粘土などのすべりやすい層を境に、その上の土層がそっくりズルズル動き出す現象のことです。地割れで田畑や家が壊され、押し出された土砂や地面の移動のために、道路や建物が広い範囲で被害を受けます。

一般的には、降雨、融雪による地下水の上昇や地震・火山活動による斜面形状の変化、あるいは人為的な改変などをきっかけに斜面上の物質が不安定化して発生します。

土砂災害警戒区域

土砂災害警戒区域等は、土砂災害が発生した場合に、住民等の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域です。

土砂災害の危険度が高まっている地域にお住まいの方は、土砂災害警戒区域等の外の少しでも安全な場所へ早めの避難を心がけてください。屋外への避難が困難な場合は、斜面から離れた部屋や2階以上の部屋へ移動してください。

土砂災害警戒区域等に指定されていない箇所でも、土砂災害の発生する可能性があることにご留意ください。

土石流

土石流の発生のおそれがある渓流において、扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域

急傾斜地の崩壊

傾斜度が30度以降で高さが5m以上の区域

急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域

急傾斜地の下端から急傾斜地高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域

地すべり

地すべり区域(地すべりしている区域または地すべりするおそれのある区域)

地すべり区域下端から、地すべり地塊の長さに相当する距離(250mを超える場合は、250m)の範囲内の区域

土砂災害特別警戒区域

土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)

急傾斜地の崩壊等に伴う土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動等に対して住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある崩壊を生ずることなく耐えることのできる力を上回る区域です。

※ただし、地すべりについては、地すべり地塊の滑りに伴って生じた土石等により力が建築物に作用した時から30分間が経過した時において建築物に作用する力の大きさとし、地すべり区域の下端から最大で60m範囲内の区域です。

土砂災害特別警戒区域の図解

土砂災害危険箇所

土砂災害危険箇所とは、土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所の総称です。

土砂災害危険箇所は、土砂災害危険箇所調査要領(※)に基づき把握しました。土砂災害危険箇所調査では、調査要領に従い 1/25,000地形図を用いて土砂災害危険箇所の所在を把握しました。土砂災害危険箇所は、過去の土砂災害の実績等から得られた知見を基に調査方法を決 めたものです。しかしながら、この範囲を正確に想定することは現状では非常に困難であります。したがって、土砂災害が発生した場合、この範囲を超えて被害 がおよぶ場合もあります。

土砂災害危険箇所は、県民のみなさんが身近にある「土砂災害発生の危険性がある箇所」を確認し、土砂災害への備えや警戒避難に役立てていただくために公表しているもので、これは法的規制はなく、土砂災害防止法に基づく区域ではありません。

(※)

土石流危険渓流:土石流危険渓流及び土石流危険渓流調査要領(案)、平成11年4月、建設省河川局砂防部

急傾斜地崩壊危険箇所:急傾斜地崩壊危険箇所点検要領、平成11年11月、建設省河川局砂防部傾斜地保全課

地すべり危険箇所:地すべり危険箇所調査要領、平成3年3月、建設省河川局砂防部傾斜地保全課

(1)土石流危険渓流 平成14年度公表

(2)急傾斜地崩壊危険箇所 平成14年度公表

(3)地すべり危険箇所 平成10年度公表

災害時要援護者関連施設

災害時要援護者関連施設等の定義については、こちらへ

土砂災害の前兆現象

土砂災害の前に、発生する渓流や斜面などの日常とは異なる次のような現象のことです。

前兆現象に気がついた場合には、直ちに周りの人と安全な場所に避難することを心がけるとともに、市町村に連絡して下さい。

がけ崩れ前兆現象 がけからの水が濁る。がけに亀裂が入る。小石がバラバラ落ちてくる。
土石流の前兆現象 山鳴りや、立木の裂ける音、石のぶつかりあう音が聞こえる。雨が降り続いているのに、 川の水位が下がる。川の水が急に濁ったり、流木が混ざりはじめる。
地すべりの前兆現象 地面にひび割れができる。沢や井戸の水が濁る。斜面から水が吹き出す。

土砂災害警戒避難基準雨量

降雨による土砂災害発生の危険性を判断するため、定めた雨量のことです。設定手法には様々な方法がありますが、岡山県では連携案方式(*)を採用しています。

*:国土交通省河川局砂防部と気象庁予報部の連携による土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法案(平成17年6月、国土交通省河川局砂防部 気象庁予報部 国土交通省国土技術政策総合研究所)

土砂災害発生危険基準線

土砂災害警戒避難基準雨量の設定において、土砂災害が発生しやすい降雨水準である領域と土砂災害が発生しにくい領域を分けるため設定する線のことです。岡山県で採用する連携案においても対象とする土砂災害を補足可能な降雨水準を目安に土砂災害発生基準線を設定しています。

土壌雨量指数

土壌雨量指数とは、降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ貯まっているかを、これまでに降った雨(解析雨量)と今後数時間に降ると予想される雨(降水短時間予報)等の雨量データから「タンクモデル」という手法を用いて指数化したものです。地表面を5km四方の格子(メッシュ)に分けて、それぞれの格子で計算します。大雨によって発生する土砂災害(土石流・がけ崩れなど)は土壌中の水分量が多いほど発生の可能性が高く、また、何日も前に降った雨が影響している場合もあります。土壌雨量指数は、これらを踏まえた土砂災害の危険性を示す新たな指標として、各地気象台が発表する土砂災害警戒情報及び大雨警報・注意報の発表基準に使用しています。

レーダーアメダス解析雨量

国土交通省と気象庁が全国に設置しているレーダー、アメダス等の地上の雨量計を組み合わせて、降水量分布を1km四方の細かさで解析したものです。

60分雨量

60分前から現在までの雨量を積算したもの。土砂災害警戒情報発表の監視にも使用しています。

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